
NHKから国民を守る党について考えること【立花孝志さんの戦略はスゴイ】
2019.08.15
基本的には政治的思想について書くことはないのですが、個人的にはこの件は「エンタメ」として楽しんでいる節があるので書いてみることに。
慎ましやかに生活している一国民、その個人的な考えです。
前提としては下記。
- 我が家にはテレビがない
- スマートフォンはiPhoneなのでワンセグ機能もない
- 故にNHKとは契約しておらず受信料の支払いもなし
- 故に投票するつもりはない
- スクランブル化には賛成
はじめに「エンタメとして楽しんでいる節がある」と書いたとおり、政治感度の高い語り口ではありませんのでお忘れなきよう。
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NHKから国民を守る党(N国党)の前提知識
党の設立は2013年6月17日。元NHKの経理として働いていた立花孝志さんが立ち上げた党です。
2005年4月に週刊文春でNHKの不正経理を内部告発し、7月に不正経理で懲戒処分を受けNHKを依願退職。これをきっかけに精神的に病んでしまいますが、闘病の末に奮起してNHKと戦うことを決意したのです。
過激な行動はあくまで『手段』

立花さんと言えば過激な行動が度々話題に登ります。時には品格やモラルを疑われるような振る舞いに対して批判を受けることも多々あるようです。
その中で「個人を攻撃してないで政治家としての仕事をしてほしい」といった意見をよく目にします。
目先の行動だけ見れば確かに「仕事してるの?」と思う方も多いのかも知れませんが、そもそもこういった行動をするのには「知名度を上げる」という目的があるはずです。
さらにその先を見据えるのならばこの行動は「手段」であり、公約である「目的」を達成するための「仕事」であると私は捉えています。というわけで手段の善し悪しはともかく、仕事はめちゃくちゃしていると思っています。
方法が過激ゆえに傷付く人間(当事者)が出てしまう可能性がありますが、主に名前を出しての批判は公人であったりタレントであったり企業であったりします。あくまで彼が掲げる敵は“N国党に仇なす人物”あるいは“N国党よりも権力を持つ人間や組織”であるのです。
そして、大前提となるのは『有権者の敵』であること。(表向きは…)
マツコデラックスさんへの攻撃的な姿勢や、崎陽軒のシウマイ弁当不買運動が記憶に新しいですが、この2つの件については非常に『プロレス的』だと感じました。
N国党の知名度は跳ね上がりYouTube登録者数もうなぎ登りとなりましたが、第三者目線から見ると立花さんの支持者は増えつつも、立花さんが敵視している相手への味方も大きく増えているように見えます。
「崎陽軒」不買運動を掲げて逆効果の図
N国党の知名度が爆上がりしつつ、被害者がいないってスゴくないですか?
重要なのは、選挙って「この人が嫌いだからマイナス票を入れます」って事ができないんですよね。知名度が上がれば上がるほど有権者がN国党の存在を認知する割合は増えて、そこからは必ず一定数の支持者が出てきます。
いくら批判されようとも支持者が増えればN国党は力を持ちます。
そして、力を持つこと(=支持者が多い)で議席での発言力は増し、「NHKのスクランブル化が国民の民意である」という主張にもより一層説得力が増すのです。
場合によっては『見せしめ』であったり、『N国党の正当性を主張するため』であったり、攻撃の目的には違いがあるようですが。
時には自らが悪役のように映ることも厭わず、政治というステージを盛り上げる姿は正に『プロレスラー』。エンタメとして演出された政治に若者の関心も惹きつけられているのではないでしょうか。
いやもう私がその一人なわけなのですが…。
追記
戦略について立花さんが公言
書き終えてふとYouTubeを見てみたら立花さんが同じようなこと仰っていました。
支持する人も、批判する人も、(私のように)面白がる人も、反応するだけでN国党の糧となるのです。面白いですね。
ネット回線があるだけでNHK受信料を徴収し始めたら、N国党に一票投じちゃうかも。
メンタリスト DaiGoさんが「なぜ崎陽軒をターゲットにしたのか」を解説
これには「なるほど~!」の一言。
YouTubeのアルゴリズムを利用した戦略を分析。立花さんがこれを本当に実践しているのかは憶測の域を出ないですが…。
自分の考えを極端化しないように気をつけよう
- 「立花さんはスゴイ!頭がいい!革命家だ!」
- 「立花孝志は危ない。こんな人には政治を任せられない」
皆さんはどちらの考えですか?
私個人の回答としては『どちらも当てはまる』ですかね。
立花さんの頭の良さと戦略はずば抜けているし、YouTubeを通した活動は他政治家と比較してみると非常にクリアに見えます。しかし彼の考えに傾倒して、行動の是非を問わないのは危険です。
立花さんは「スクランブル化に成功したら政治家をやめる」と仰っています。
心の底からその言葉を信じている方へ問いたい。
その保証ってどこにありますか?
対NHKの戦いにおいてはスペシャリストですが、それを超えて政治に口を出すことになった場合、内政や外交においてはそうだとは言えません。そして、ターゲットとして指定された仮想敵によっては、過激なパフォーマンスの矛先が特定の何かに属する国民たち(今もNHK受信料の集金人が大変な思いをしているようですが)へ向かう可能性もあります。
「直接民主主義」を導入すると提案していましたが、目先の利益や聞こえの良い言葉に誘導されがちな投票者が多ければ、それこそ歯止めがきかなくなるかもしれませんね。
基本的には“全て”を“信用”するのは危険だと思うのです。“期待”はしているんですけども。目的や手段を見失った時には、有権者ひいては支持者が「選挙」で正してあげる必要があるんですね。
これはN国党にとどまらず、他の政党や政治家においてもそうですし、勤務先での契約や個人間での約束事も当てはまるのではないかな~と考えています。
とは言いつつも、立花さんはYouTuberとしても今回の件で成功してるでしょうし、政治家はやめるかもしれませんね。でもN国党が大きくなりすぎた時はその跡を継いだ人たちの動向を気をつけないといけないかも。
スクランブル化、実現したら面白いなあ~!