mome

コレだよコレ……みたいな展開がある映画は良い

「貞子VS伽倻子」と「来る」はホラーとしては物足りないけど、エンタメとしては傑作だと思う。

『貞子VS伽倻子』に出てくる主人公2人を手助けする霊能力者、経蔵&珠緒コンビとか、『来る』に出てくる霊能力者集団とか良いよね。

経蔵と珠緒は妙にキャラが濃くて、現実感が薄れてしまって日本ホラーの醍醐味である土着感とかおどろおどろしさがまでも薄れてしまってる気がする。

しかしだよ。

そのキャラの濃さと、映画の王道的な展開が上手いこと噛み合って、エンタメとしてはかなり美味しく仕上がってると思う。

リングと呪怨の良いところをひとさじずつ入れて、経蔵&珠緒のスパイスをひとつまみ……、みたいな感じで味付けされて、万人受けする風味になってるのが良いよね。

『来る』の場合はメインキャラクターたちが全員濃いのと、人間ドラマ的な描写も多いので、古典的な日本ホラーというよりは日本を舞台にしたモンスターパニックって感じ。

ホラー描写としてのクライマックスは序盤に主人公として登場した夫が、作品中盤で強力な霊能者である”琴子”と電話をするシーンかな?個人的にここは原作でもすごく好きなシーン!

琴子は中盤に登場するチート霊能力女子(無敵というわけではないけど)なんだけども、その琴子の存在と終盤に登場し集結する全国各地の霊能力者集団が出てくる展開が熱い。

ホラーとしてはまったく怖くない。でも熱い。

ちなみに、『来る』の原作である小説『ぼぎわんが、来る』は映画よりもホラー色が強い印象。

小説だからこそ読み手側の想像を掻き立てられて、幽霊とも妖怪とも言えない謎の存在「ぼぎわん」がとてつもなく不気味で恐ろしいものに感じられる。作者の文章での描写力が高いので、絶望感も高かった記憶がある。

初見が小説だったのもあるかもしれないけど、「ぼぎわんが、来る」は映画が気に入ったなら小説もぜひ読んでほしい作品。

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